しあわせのヒント

生きるって面白い!

自分のことはわからないものだ。

 

小学生の頃、無口で引っ込み思案だった私は、

クラスに馴染めず、皆に嫌われていると思っていた。

 

隣の席の男の子にいつもいじめられていたし、

体育の時もチームプレイの球技などは苦手で失敗ばかり。

一生懸命やってはいるものの、

まじめに取り組んでいない

とみられているに違いないと内心怯えていた。

 

さて、卒業も近いある日、

クラスの皆はサイン帳に

メッセージを書いては交換していた。

自分も書いてもらいたい、

と勇気を出してクラスメイトに声をかけると、

案外快く応じてもらえて驚いた。

 

イラストや名前などの書かれたそのノートは、

そのまま勉強机の奥にしまわれて、

長い間日の目を見ることもなかったが、

20歳過ぎて身の回りの整理をしている時に出てきた。

 

懐かしくページを開いてみると、

そこには子どもらしい字で、

たくさんのメッセージが綴られていた。

 

ひとり1ページ書いてくれたようで、

数えてみるとクラス全員の分があった。

頼まなくても、

勝手にノートが回って来るのを書いていたことを思い出した。

それで私のノートも誰かがどんどん回してくれて、

みな仕方なく私の分も書いてくれたのだな、と思った。

 

何が書いてあるのだろう。

 

当時も読んだはずなのに全く記憶にない。

クラスの中のどうでもいい子だった私には、

当たり障りのないことが書かれていたのだろうな、

とページをめくってみる。すると…。

 

TAKAKOちゃんはやさしい。

いつも頑張っている。

人気の女子第3位。

かわいいのに威張っていない。

掃除をしてくれてありがとう。

大好き、これからも仲良くしてね。

…。

 

にわかには信じられないような言葉が並んでいた。

これはいったいどういうことか。

皆に嫌われていたダメ子は全然嫌われていなくて、

それどころかずいぶんと評判もよく、

好かれているようではないか!

 

思い込み!

 

すべて思い込みだったのだ。

自分は誰にも受け入れられないダメな子ではなかった!

正しい行動をきちんと評価されて、

皆から好かれている存在なのだった。

 

これには本当に驚き、

自分が自分を全然わかっていないことに初めて気がついた。

他人が自分をどのように見ているのかを気にして、

本当の気持ちを押し殺すような生き方をしてきたが、

そんな必要は全くなかったのだ。

 

自分が思っているような見方を他人はしない。

人それぞれその人なりの考え方で他人や世の中を見ているのだ。

 

それに気づいてからは、少しは生きやすくなった。

しかし、何十年経っても、思い込みの「クセ」は抜けず、

つい悪い方へ考えてしまう。

 

「~すべき」

「~しなければならない」

などといつも考えて自分で自分を苦しめてきた。

 

その非現実的な思い込みで、

世の中や人を素直に見ることができず、

ずいぶんと回り道もしてきた。

 

「人に好かれなければならない」

「みっともないところは人に見せるべきではない」

「人を利用すべきではない」

「相手の心を傷つけてはならない」

「失敗すべきではない」

そう信じて生きてきた。

 

幼少期に少しばかり親に厳しくされたのだと思う。

父方母方ともに祖父が教員で、

近所を歩けば「○○先生のお孫さんね」と言われた。

また長女であること、父が仕事の関係で、

1年のうち半年くらいしか家におらず、

ほとんどの時間を母と2人きりで過ごしたこと。

4歳の時、妹が生まれ、寂しい思いをしたかもしれないこと。

 

それらが原因で、

いつもいい子でいなければならない、

愛情が足りないなんて思ってはならない、

妹は弱く守られるべき存在なのだから、

などと思い込んでしまったのかもしれない。

 

この家族は自分の本当の家族ではないと空想し、

夜空を眺めて、かぐや姫のように、

自分のところへも月から迎えが来ないかなあ、

などと思っていた。

学校に行きたくなくて、お腹が痛いと嘘をついたこともあった。

 

素直に愛情が欲しい、と言えればどんなに楽だったか。

でもそうできなかった。

親に心配をかけてはならぬ、と強く思っていたし、

欲しいものを欲しい、と言えない子どもだった。

 

今、人生の半分を生きて、ようやく

受け止め方を変えるだけで、

ラクに生きていけることがわかった。

 

失敗してもすぐに

「見方を変える!」

「受け止め方はそれでいいかな?」

と意識するようになった。

 

 

潜在意識で皆、繋がっているのだという。

ココロの奥底、深いところで繋がっているのだ。

 

みんなが繋がっているなら、

まず自分がしあわせになることで、

みんながしあわせになれるではないか!

そんなことを思い、希望に胸が高まった。

 

すべてがつながっているから、

地球にも人にも動物にも優しくできる。

目の前の嫌な人にも歩み寄れる。

 

自分がしあわせになることで、

すべてのものにしあわせを広げて行こう!

と思えるようになった。

 

生きるって面白い!

 

暗く過ごしても、明るく過ごしても、

他人はそれぞれの見方で私を評価する。

 

それなら楽しく面白く、

自分がラクになれるような生き方。

そんな生き方がいい。

 

「毎日を人生最後の日だと思って生きていく」

そうやってこれからも生きていこう!

ABOUT ME
TAKAKO
介護福祉士、心理カウンセラー。湘南生まれ、湘南育ち。茅ケ崎市在住。 マキシマムステートプログラム公認トレーナーとしての活動も行っています。